歯科医療への誤解
 今回のコラムはあえて誤解を恐れずに歯科医療への誤解について少しお話したいと思います。みなさんの歯科医院に行く理由はなんでしょう?
・痛い
・取れた
・腫れた
などが一番多いパターンです。その他にもいろいろありますが、ほぼ90%以上が治療目的です。もちろん治療は必要なのですが治療で治ると思っていると言うのが今回の「歯科医療への誤解」です。基本的には歯科医療では治りません。これは医科が担当している軟組織と歯科が対応している硬組織と大きな違いがあるからに他なりません。
歯科医療では通常、「悪くなった部分を取り除き人工物によって修復する」ことがメインの仕事とされてきました。医科が担当する例えば風邪などであれば治療や投薬をしてやれば以前と同じ状態に「治った」と言えます。ところが歯科は上に述べたとおり「人工物に置き換わるだけ」なのです。以前と同じ状態に「治った」わけではありません。
 加えて歯科医療では対処療法がほとんどでした。虫歯が出来たから削った、痛いから神経を抜いた、ぐらぐらするから抜いた。こういうのが対処療法です。医科と比べればこの対処療法がいかにいいかげんなのかがわかります。例えば風邪をひいて熱があるから解熱剤、血圧が高いから降圧剤、がんで痛いから痛み止め。さて、これで病気が治るでしょうか?医科では早くから対処療法から原因療法へ治療がシフトしてきました。歯科での原因療法を行っている歯科医院はどれくらいあるでしょうか?
せいぜい歯磨き指導くらいじゃないでしょうか?歯石を取るのも原因療法だって?いえ、そうは思いません。歯石が溜まってくることを予防管理するのが原因療法です。そう考えれば歯科医院における原因療法はほとんど行われていないと思います。
われわれはこう考えます。
まず問題があれば
・応急処置
・検査
・原因究明
・原因対策
・現状対策
・予防対策
・定期チェックに加えて健康増進
こうすれば本当に「治る」ことが可能ですし、それ以上のトラブルを避けることもできます。
 どうもぼくらから見ていると患者さんは根本的対策ではなく、応急処置に近い対処療法しか知らないように思えます。
 健康をテーマにするのと目の前の病気をテーマにするのでは当然、対応が違ってきます。
あなたは「健康になりたいですか」それとも「単に痛みが止まればよいですか」

歯ブラシ
 当院では従来アングル4と言う名前の歯ブラシを使って歯磨き指導などをして来ました。これは20年ほど前にビーチ先生が考案してライオンに作ってもらった歯ブラシです。
非常に論理的に作られており初心者が正しい歯みがきを身につけるのに最適でした。個人的には大リーグ養成ギブスならぬ正しい歯みがき養成ブラシと呼んでいました。
 ここが理解できるのは○○歳以上の人ですね(*^_^*)
つまるところ非常に使いやすい歯ブラシでした。またそのせいもありリピーターの人がたくさんおり、歯ブラシだけを買いに来る患者さんも多くいました。なんでもそうだと思いますが、ちゃんとした製品と言うのは説明が必要なものですが、この歯ブラシはなんと箱の中に説明書が入っていました。それだけ本物だってことです。
 ところが世の趨勢・・・お手軽、簡単、説明書いらず・・・の一般市販品に押されてライオンの中でも販売量が少なくとうとう製造中止になってしまいました。
 とても残念です。
 ビーチ先生に相談するともともと基本となるデザインは考案したようですが、一部修正したかったのにそのまま商品化が進んだとのことで新しく作り直したいとの意向もあるようです。そこで大阪にお伺いしてデザインを聞いてきました。
 あとはメーカーを見つけて折衝しようと思うのですが、ここがなかなか。一般の歯科医師が歯ブラシを作るハードルは高そうです。でもこれはなんとかしたいと思っていますので、アングル4のファンであった方はしばらくお待ちください。きっと商品化をしたいと思います。

Drベレ来日
 先日、7月最初の週にインドでお世話になったベレ先生が来日されました。ビーチ先生が韓国で講演されるのに合わせて韓国→日本と出張に来られました。
 大阪にビーチ先生がいる関係で大阪GEPECオフィスを訪問され、インドでのpd器材の開発に日本企業とビーチ先生のアドバイスをもらいに来たようです。わたしもせっかくなのでお会いするのに大阪を尋ねました。数ヶ月ぶりの対面ですがベレ先生は相変わらず精力的に活動されお元気でした。3日の夕方にインド訪問の先生方と一緒に会食をしました。
 オーロビルでの活動に日本の先生方は非常に感銘を受け、エールを送ると共にできる協力を考えています。前回は本当に訪問だけでお邪魔してたに過ぎないので、次回は現地での活動に加わって力になりたいと思います。ベレ先生もぜひそうして欲しいとおっしゃっていました。
 なごり惜しいですが再会を誓って新大阪駅で別れました。

インドに行ってきました
 2007年3月末よりインドの歯科事情視察に行ってまいりました。一般にインドと言うと貧富や地方による格差が激しいのですが今回視察に訪れた場所は同じGEPEC(http://www.systematiccare.net/)に参加しているフランスの歯科医師がほとんどボランティアで行っている歯科医療を視察する目的でした。
 場所は南インドに属するポンディチェリ郊外のオーロビルという場所です。ここは一言で言ってしまうと環境実験都市なのですが非常にボランティア精神に溢れ、精神的にも高いレベルを求められる場所です。歯科事情以外にも深く考えさせられると共に、非常に感銘を受けました。
 歯科医療については物が豊富にある日本と違って、工夫創意に溢れかなりの努力を伴った上で広く一次医療から日本での普通の診療まで行われておりました。
 発展途上国におけるユネスコのモデルケースとしても取り上げられており、このケースで効果が証明されれば広く世界に広がるとその医師も希望に燃えておりました。
 われわれ同じポリシーで歯科医療に当たる日本人視察団も何か協力できることはないのか、とか日本における自分たちの位置づけを考え直さないといけないとか、貴重な経験になりました。
 詳細な報告はいずれ別ページで行いたいと思います。

学会で中国に行ってきました
 こんにちは。先日、学会で中国に行ってきました。この学会はGEPEC(http://www.systematiccare.net/)と言って歯科医療の基準指針を世界的に広げようとしている学会です。
 中国は深センという経済特区で学会が開かれました。ここではFDI(http://www.fdiworldental.org/home/home.html)と言って世界の歯科協会が年次総会をしておりました。そのコラボミーティングとしてやろうとしていたのですが、発足して間もないと言うことで単独開催となってしまいましたが写真のように世界中から多くの先生方が集まりすばらしい講演と活発な議論がもたれました。
 歯科医療では技術が大切なためともすれば技術のみに凝り固まってしまったり、グローバルな視点に立たずに自分だけのやり方になってしまうことがよくあります。そういった「マイウェイ(わたしだけのやり方)」ではなく人間としての「ヒューマンウェイ」での歯科医療が必要とされています。GEPECはそれを分け隔てなく全世界に公開して歯科医療を向上させて行きたいと思っています。
 わたしも初めての海外の学会で当初は違和感を覚えましたが、自分のやっている方法が「自分だけの凝り固まった医療」ではなく「全世界の先生に認められ広がっている医療」を再確認でき、非常に有意義な時間をすごせました。
 ただ深センは経済特区であり、香港のすぐ隣にも関わらずちょっと自由主義社会とは違った雰囲気があり正直な話、あまり行きたくない都市でした(^^ゞ
 来年はまたFDIに合わせて開催されるのか
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