「歯の再生」に一歩? ブタでの実験に成功
医療関係の話題の中で近年明るい話題として見つけたのでコメントしておきたい。
今朝のインターネット新聞CNNで報道されていた「歯の再生」についての記事である。
詳しくは以下を参照(時間がたつとリンクが切れていると思います)
http://www.cnn.co.jp/top/K2002100900182.html
ブタにおいて自分の細胞から培養することによって歯ができるということを確認したとのことである。今まで試験管の中においては確認されてきたことが実際、生体において確認できたということは喜ばしいことである。
歯の欠損が生じている人にとって今までは「入れ歯」という人工物で代用してきたものが、もう一度自分の歯で噛める!という朗報に聞こえる。・・・が
歯科用インプラント(デンタルインプラント)と言って歯のなくなったところにドリルで穴をあけ、チタンのボルトなどであたかも新しい歯を作り出すという治療法がある。
もう20年ほどの歴史があると思うが、最初ははなばなしく取り上げられ夢の治療法と騒がれたものだが、今となってはさほどすごいことでもなく治療のひとつの選択肢となっているようだ。しかし、これも最初のころは人工サファイアで作られていたが、まずもって100%失敗しているはず。未だに口の中に人工サファイアがある人はいないと思う。そういう失敗の上に改良されてきたが、インプラントはリスクの説明がないまま応用され失敗後・・を担当しているわたしにとってはあまり好ましいものではない。
今回、歯の再生ができればインプラントさえも過渡的な治療で終わってしまうのか・・と思ったがふと考えてみると・・・
歯ができる順序を考えてみて欲しい。自分の細胞から培養した歯の卵(?)をあごに埋め込み、それが歯の形になって生えてくる・・・
はてさて10年以上 そこは歯がないままなのか?これは笑い話でなく今の現実である。
新聞が報道しない裏話や解説があってこそ、一般の人は理解できるわけなので今回の報道は半分笑い話・・と言うことで。

医療費の削減と国民の健康度アップ
前回、医療費削減と治療内容の充実が歯科においては可能とコメントしましたが、その他の条件や方法について少々お話させていだたきたい。このコラムを読んでいただく方には今後避けて通れない自国の経済問題と自分の健康と言うことをちょっぴり考えるきっかけになれば幸いです。

 ものには道理と言うものがあって、それを外すとおかしなことになる。国民の健康を守るとされている日本の保険制度であるが、実は道理を外していることがある。もともと「保険」と名前がおかしい。保険とはいざという時のためにあらかじめ一定の掛け金を払うことによってもしもの時に保険金を受け取る制度である。例えば車をぶつけたら困るので保険に入るのである。車をぶつけてから保険に入る人はいないし、入ったとしても入る前に起こした事故については保険金はおりない。しかし日本の医療保険はそれがおりるのである。
保険に入ってない人がたまに来院するが、「今日は応急処置をしておきますから保険に入ってからいらっしゃい。」当たり前のようにいう言葉だが、こと自動車においてはこんなことはない。
自動車屋さんに「事故しちゃったんですけど、保険がないんです。」と言って自動車屋さんが「それは困りましたね。保険に入ってからいらっしゃい。その保険で直してあげるから・・」なんて言ったらそれは保険詐欺である。保険会社に訴えられること間違いなしである。だから日本の医療保険は保険制度じゃなくて互助会的な存在である。病気になったら困るから国民のみんながお金を出し合ってそれを困った人が使う・・・なんて日本的美学!と思われるが、それじゃお金が足りないので税金で補填している。・・ってことはこれは医療?それとも福祉?
医療を福祉をきっちり分けると、今日本で行われている保険制度に基づく医療は福祉制度に近い。病気になったとき国民のみんなが困るから掛け金ももらうけど、税金で補填してそのプールしたお金を病気の人が使う。福祉制度なら納得がいく。日本国憲法にもそう記してある。「日本国憲法第25条にある「生存権、国の社会的使命」を国が実現するために、保険給付の内容は、「すべての国民」が「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことを保障する程度のものとされており、社会保障制度の中心的・基礎的な保険給付であると位置づけられる。
つまるところ日本の保険制度に基づく医療は福祉政策であり、「最低限度」なのである。これが今日の新聞に載っていた。昨日(2001.8.9)内閣府発表の病院に対する意識であるが、日本は世界的に圧倒的なまでに病院通いをしているが、満足度は最低レベルである。そりゃ「最低限度の保障」しかしてないんですから・・医療をしている側は「医療」と思って「最高」をしたいと思ってるのに国からは「最低」しか許されてないとしたら・・・医療を受ける側の満足度はあるわけがない。
広く国民が福祉制度に基づく最低限の保障と、きっちりした医療と言うものが違うものだと認識することが、政治家にだまされないようにする知恵だと思う。今後、日本の経済情勢は当分良くはならない。経済効率化に名を借りた医療費削減には反対である。ただ国民が自分たち自身の健康をどのようにして守っていくのか、それをはっきりしておかないとまたぞろ・・医療がどんどん悪化していく。

日本の医療保険は保険じゃないって言う道理を外しているからそうなることになる。保険制度が道理をまっとうして良くなれば、経済効果も医療の質もアップして国民が健康で過ごすことが可能になる。

簡単にできて国民の健康度があっぷする方法がひとつ・・これは次回、ご紹介します。

医療に競争導入
今朝の地方新聞にこういう見出しが出た。首相の諮問機関である総合規制改革会議の中間とりまとめの中に医療の効率化に競争を導入する提言をしたらしい。
これには一言いわねばなるまいと思って、お休みしていたコラムを復活しました。少し長くなりますが興味のある方はお読みください。

従来より医療現場は閉鎖的で改革がなかなか進まない分野であると認識されている。それは事実である。ただし競争を導入すると言う目的は何か・・?それを考える必要がある。ひとつは塩川財務大臣がずばり言ってしまいましたが、医療費の抑制である。そのほかにはいろいろあると思われるが、焦点はほとんどそこにあると思われる。医療費がGNPや老人人口の伸び以上の拡大をしていることは好ましくない。それは事実であって効率化、つまり費用対効果の効率を上げるのは必要なことである。
みなさんも医療の現場で「何て無駄なことをしているんだ・・」と憤りを感じた経験をお持ちだと思う。無駄は何も医療の現場に限ったことじゃないが、効率化の名前に姿を変えて、現実的には医療の制限が行われることが一番怖い。
日本歯科医師会も受診機会の制限や医者の裁量権の制限を危惧している。これも十分納得できることである。しかし低成長の時代、効率化を求められるのはどの分野でも同じであるし医療が聖域であっていいわけはない。
つまり医療にとっては効率化を医療行為を制限せずに達成しなければならないと言う使命を持つ。他のサービスなどであれば一部カットで効率化を計ることもできるが、小泉首相のはやり言葉みたいに言われている民営化で医療が効率化するとも思えない側面がそこに存在する。

だから医療現場では構造改革が進まないのである。じゃあ どうすればいいのか?ひとつ提言がある。それは恩師のビーチ先生もおっしゃってることであるが、歯科については医療費の抑制と医療内容の充実とが同時に達成可能なのである。残念ながら医科の分野ではちょっと違うことを最初にお断りしておきたい。
それで歯科の分野で構造改革を達成するキーワードは「質」である。「しち」じゃなくて「しつ」ですね(笑)歯科はその特性として体の中で硬組織を扱う。そうすると実際の治療行為が全てその硬組織に刻み込まれて残るのである。つまり治療が成功しているか失敗したか、X線フィルムに残酷なまでに写るのである。その質の判断がそれこそ小泉さんの言うような第三者の民間機関がするようになると、効果をあげることが予想される。

つまり民間の自動車保険のように査定があるとしたらどうだろう。治療の効果がはっきりX線フィルムに現れるものだけでもいい。限定して導入したらどうだろう。そうすると将来のクリニックではこういう会話が行われることになるかもしれない。

民間の審査機関「先生、フィルムを見せてもらいましたが、この治療ではお金をお支払いできませんねぇ。」
ドクター「・・・・。」

医療現場としては笑えない話になりそうだが、患者さん側としては歓迎すべき状況になると思う。医療行為が成功することによって治療行為となりそれが経済行為とみなされるのは当たり前であるがそういう意味で治療技術において競争が導入されることは非常に好ましいことだと思うんですが。

いずれの部門も自分で構造改革をするのは難しいもんですね。誰も好んで自分の首を締めようとはしませんから。

医療費削減と治療効果の向上についてはその他にも条件があるので、それは後日コメントさせていただきます。

医療の規制緩和
医療関係の立法が相次いでいる。たちまちは来年1月からの老人医療費の改正があげられる。病院では一割負担の定率性となり診療所においては一日¥800(月四回まで)の定額制も選択が可能となっている。選択が可能というあたり玉虫色にしないといけない事情があったのであろうが詳しくは知らないしコメントする立場にないのでそれは置いておく。ちなみに日本医師会、日本歯科医師会では診療所に定額制を推奨している。
そしてこのようなニュースが入ってきた。

◆ 2000.12.14 【厚生省の医療審議会】医師の略歴、診療情報の提供などの広告が
認められるのはほぼ確実

 厚生省の医療審議会は12月13日、医療界における広告の規制緩和について審議し
た。それによると、医師の略歴、診療情報提供の実施、第三者評価の結果などについ
ては、医療機関による広告が今後認められるのはほぼ確実だ。

 認められるのがほぼ確実な主な広告事項は以下の通り。

 1.診療録などの情報を提供できること
 2.日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の結果
 3.医師・歯科医師の略歴や年齢(生年月日)、性別
 4.共同利用できる医療機器
 5.対応可能な外国語(手話や点字を含む)
 6.実施している予防接種の種別
 7.健康診査の実施
 8.保健指導・健康相談の実施
 9.介護保険の実施に伴う事項
 (1)介護保険法に基づく指定を受けている事業者であること
 (2)訪問看護に関する事項
 (3)紹介することができる、他の指定居宅サービス事業者や指定居宅介護支援事業者、
   介護老人保健施設などの名称

 なお、保険適用外である診療(自由診療)の費用、医師が得意とする医療分野、医
師の治療方針や治療方法、手術件数などは今回認められる可能性は低い状況だ。

全体としてはあまり意味のない内容だが、情報開示(ディスクロージャー)に向けての第一歩として評価したい。そもそも医療についてはまだ「知らすべからず、よらしむべし」の態度があるのをしってびっくりした。先週、子供が入院することになりその経験をした。診断、経過、投薬、処方について一切説明がなく24時間点滴を開始。医療供給者だけが経過を知っていればいいと言う態度がありありで何でわたしがそこまで説明しないといけないの・・・みたいな顔をして、いまだにこういう医者がいるのかとびっくりした。ちなみに50歳以上とかであればびっくりもしないが、まだ30代と見える女医さんであったのであきれてそれ以上の質問ができなかった。

相手が一応歯科医師であってこれであるから、普通の患者さんやその家族に対する説明は推して知るべしである。医療供給者がこれであるので医療ミス、情報公開、そのあたりの医療改革が進まないのはあたりまえか・・

それでも株式会社の病院経営を規制緩和審議会が報告するなど、「当たり前」のことも進んでいる。
そのような当たり前をもっと患者さんが自分のこととして要求し、日本の医療水準がどの程度なのかはっきりさせるといいと思う。そうでなければ規制緩和によって生まれるのはもっと低水準な医療が量のみで計られてまかり通ることになる。規制緩和は情報公開と一体でないとならないと思う。

医療の技術的側面についてはまた改めて意見をすることにしたい。

残暑見舞い申し上げます?!
 9月に入ってもこの暑さ。残暑お見舞いがまだ通用するようです。
今年の夏は香川にとって記録的暑さであったようです。30度以上の真夏日がまだ連続して観測史上初の長さを更新中。最高気温も観測史上2位の暑さを記録するなど猛暑と言える夏でした。梅雨の時期を含めて7月中旬から8月の中旬まで例年の雨量の13%しか記録せず、水不足も心配されています。いつも有名になる早浦ダムは台風の影響で水不足が一発で解消し、自然の大きさを見せてくれました。それに比べて四国用水を利用していない市町村で水不足が言われています。例年と反対ですね。
 そんな夏でしたが今年はクリニックにとって始めての夏の経験でした。
患者さんも暑さにめげずおいでいただき、夏休みの子供と同じく(口の)宿題
解決にがんばられていたようです。
 うちの子供は最終日まで宿題と取り組み、長かった夏休みを総決算したようですが、個人的にはとても充実した夏だったと思います。
 みなさんはどのような夏を過ごされましたか?そして21世紀をどのように迎えようとされているのでしょうか?
2000年9月7日
Page1 Page2 Page3 Page4 Page5 Page6 Page7 Page8 Page9 Page10 Page11 Page12 Page13 Page14
[編集]
CGI-design